新作格ゲー「アイドルマスター ミリオンライブ シアターデイズ ミリ女ファイト」をプレイしてみた。
2021年4月1日、それは彗星のように姿を現した。
アイドルマスター ミリオンライブ シアターデイズ ミリ女ファイト
死ぬほど名前が長い。格ゲーマーはあまり長い文字が読めないため誰も認識できないのではないかという不安はあるが、
アルティメット マーベル バーサス カプコン 3
や
とそんなに変わらない文字数なのでギリギリ大丈夫だろう。そんな際どいラインを突いてきたアグレッシブな格ゲーが、この令和に突如として現れたのだ。そう、唐突にだ。なんの事前情報やプロモーションもなく、4月1日になった瞬間プレイ可能になってリリースという、現代のゲーム業界ではなかなか見ることのできない挑戦的スタイルである。
そしてそれを聞いた筆者は新作格ゲーが出たと聞いて思わず飛びついたのである。
すぐにインストールを開始する。ここで注意だ。本作はスマホアプリのゲームであり、SteamやPSストアでいくら探しても見つけることはできない。何なら「ミリ女ファイト」と検索しても出てくるか怪しいし、アプリのゲームジャンルは何の間違いか(音楽&リズム)で登録されているため、皆さまも検索の際には要注意だ。
ゲームをインストールすると、上記のようなタイトル画面が表示された。キャラクターが拳を向け合っており、格ゲーなのは間違いない。恐らく女性キャラが主体のゲームなのだろう。アルカナハートシリーズやスカルガールズなど、見目麗しく可憐なキャラクター達が活躍する格ゲーも現代では珍しくない。彼女たちも見た目はまるでアイドルのように可愛らしくてプレイする前から期待が持てた。
タイトル画面の二人は恐らく本ゲームにおけるリュウ・ケン枠(基本的な操作感のスタンダードなキャラクター)なのだ。左側のジャブを放っている女性がリュウポジションだろう、波動拳みたいな髪色だし。
ゲームを始めるとなかなか長いチュートリアルやムービーが始まる。私は格闘ゲームは長いことプレイしており、鉄拳やバーチャファイターなどの複数タイトルのプレイ歴もあるため、今更チュートリアルなどは必要ない。悪いがスキップさせてもらった。
途中、キュートなキャラクターがどんなステージにするかと聞いてきたが、私は格ゲーはトレーニングモードから入るタイプ。トレモ用ステージに決まっている。
チュートリアル中にこのような説明も出てきた。文字が長くて読めないが、「判定強化」「ダメージガード」「コンボ継続」「コンボボーナス」などの格ゲー用語が頻出していることはわかる。「ダブルブースト」はおそらくゲージを二本消費して繰り出す必殺技などであろう。
さて、チュートリアルが終わると二人の女学生が出てきてゲームの世界観を説明してくれた。
どうやら本作はお嬢様学園に通う女生徒たちを操作し、武闘祭で優勝しようというストーリーらしい。ストⅡとほぼ一緒だ。格ゲーではベーシックな構成といえる。
キャラクターセレクト
ストーリーモードを選択すると、キャラクター選択画面が開いた。
どうやら、3人1チームのゲームシステムで、チームエディットは無いようだ。初代キングオブファイターズと同じである。
と、キャラクター達の説明を見ていて気付く。
ジュリア! ジュリアじゃないか!
私の知るジュリアから大きくビジュアルは変わったが、格ゲーでバージョンごとに見た目が変わることは珍しくない。そしてアプリの開発会社を確認して確信する。「鉄拳」シリーズと同じバンダイナムコ…………これは、そういうことなのか?
上記の彼女が虎身肘(こしんちゅう)や旋空衝腿(せんくうしょうたい)、マッドアックスを繰り出すというのか………?
いや、さすがに同名の別人だろうと判断しゲームに戻った。
ゲーム画面はオーソドックスな2D格ゲーといえる。左下の移動orガードと、右側のアタックボタンで操作を行う形式である。
ガードはバーチャファイターと同じくボタンで行う形式である。投げはフリック入力で繰り出すことができ、打撃・ガード・投げの三すくみはしっかりと存在している。
ジャンプ が存在しない超硬派格ゲー
現代の2D格ゲーには大きく二種類に分けられる。「コンボゲー」か「差し合いゲー」だ。前者はジャンプして繰り出す派手な空中コンボが魅力なブレイブルーシリーズなど、後者は刃が届くか届かないかジリジリとした硬派な地上戦が魅力のサムライスピリッツなどがある。本作はコンボ要素が少なくどちらかと言えば「差し合いゲー」に分類されると思うが、現代の格ゲーにはない大きな特徴があるのだ。
ジャンプが存在しないのである。地上戦が主戦のサムライスピリッツですらジャンプ攻撃はあったというのに、本作「ミリ女ファイト」にはそれがない。ジャンプがないということはもちろん飛び道具もない。つまり、地上戦の間合い管理と打撃orガードor投げの読み合いを研ぎ澄ませた超硬派格ゲーなのだ。
飛び道具がないため、冒頭に「波動拳出しそう」と説明した彼女(徳川まつり氏)ですら、素手喧嘩(ステゴロ)の剣闘士(グラディエーター)であった。セリフも見るからに強者のそれだ。
おそらく、お嬢様にジャンプなどさせたらスカートの裾が大変なことになってしまう危険性があるためこういった仕様になっているのだとは思うが、この思い切った仕様はとても挑戦的だと感じた。
↑そのわりに、ダウン確定技(本作では「弾き飛ばし」)ではしっかりとふっとぶ。余談だが、ここからダウン追撃コンボなどは存在しなかった。
↑投げ(本作では「つかみアタック」)ではしっかりと腰の入った大外刈り(技名不明)を見ることができる。
キャラクター達は可憐で美しくまるでアイドルのようである。(どうやらファイターだけではなく実際にアイドル活動をしているという噂もある。要検証)そんな彼女たちが拳を交わし互いを高め合っていくというコンセプトはプレイしていて非常に楽しいものであった。
本作は現状CPU対戦のみで、モードはストーリーモードとフリー対戦のみ。ストーリーモードではクリアするとチームキャラクター三人の「姉妹的仲良さ」なコミュニケーションを見ることができる。CPU対戦の難易度はそれほど高くなく、しっかりとガードをして確定反撃を入れることを意識してプレイすればクリアは簡単であった。
さて、そんな本作「アイドルマスター ミリオンライブ シアターデイズ ミリ女ファイト」であるが、残念ながら期間限定でプレイできる作品である。プレイ可能な期間は2021年4月1日23:59までとかなり短い。なお、プレイ期間終了後はミニゲームとして音楽に合わせてボタンを押すリズムゲームを続けて遊べるようになるという噂もある(要検証)この短い期間でその全貌を知ることはかなり難しいと思われるが、興味を持ってくれたのならばぜひ本作をプレイしてみて欲しい。
終